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ネイティブスピーカーも知らない!英語のヒ・ミ・ツ

ネイティブスピーカーも知らない!英語のヒ・ミ・ツ

日本式発音はNG

フィリピンやインドネシアや、そういうアジア諸国ではしばしばその国のトップクラスの人々が、英語をとてつもなくなまった状態で堂々としゃべっている。国際会議などでは様々になまった英語が飛び交っていたりする。それでも通じるのだから、日本人も堂々と日本語的発音でしゃべればいいのだ!
英語圏の人間たちのマネをしようとするからしゃべれんのだ!
と主張する人もいる。発音も日本語式であっても構わない。文法の細かいところ、つまり冠詞とか前置詞とか、そんなことも気にする必要はない。そういうことにこだわるから英語アレルギーになるのである、と。学校でも、日本人には堂々と日本式英語を教えればいいのだ!

一見正論だ。たしかにそういう部分もあろう。だが、私はそれに全面賛成はできない。

逆説的に言えば、その方法で英語がしゃべれるようになる人は、まあいるとは思うが、かなり「頭のいい人」だと思う。細かいことは気にしない、にしても、英語の文の構築の仕方をいちいち、しかもとっさに、論理的に考えながら文を作ってしゃべることができてきた人だ。
あるいは、なにはともあれ英語をしゃべらなければならない環境にいきなり置かれてしまった人、かもしれないが。

だがそうでない大多数の人にとって、発音をないがしろにしたまま英語がしゃべれるようになるというのはかえって難しいことだと思う。

アジアなどの一部の国で、人々がなまったままで英語をペラペラしゃべる、というのは、それらの国にはそういう英語をしゃべる人々のコミュニティが存在する、ということである。政治や経済のエリートの世界であれ、観光産業に(いかなる形でも)関わる庶民であれ、実際にその英語を使って毎日コミュニケーションをとる環境が存在しているのである。なまっていようがなにしようが、彼らにとってはそれが英語で、それで母国語と同じくらい(あるいはインドのようにそれがまさに公用語であることもある)、たいして考えることなしに言葉が口から出てくるぐらいに流暢にしゃべれるのだ。それはあたりまえである。
もう既に、考えることなく口から出てくるぐらいのレベルになっていれば、欧米の発音の英語を聞いても理解できる。聞いたことがなくても方言をある程度理解できるのと似たようなものだ。細かい音が分からなくても、前後関係や文法的知識を無意識に応用してだいたい理解できる。


だが日本ではそれがない。
もし日本語的発音のままで英語がしゃべれるようになりたいなら、そういう英語を日常的に(←これ大事、限られた時間ではあまり意味がない)しゃべるコミュニティを作るしかない。しかし今更そんなことは現実的ではない。
ようするに、語学の習得は、お手本の模倣と応用に尽きるわけだが、私たちにとって一番身近な「お手本」とは欧米の英語なのである。

自分たちの勝手な発音システムを維持したままでその「お手本」を模倣するのはむしろ難しいことだ。
だから、日本人英語のままではいけないのである。

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